2019年第2戦 カザン 結果&感想

2019年 Redbull Airrace 第2戦 カザンを見ての感想です

ネタバレを含むので、まだ知りたくない人はご注意を

予選

3 年連続開催のカザン

毎年コースレイアウトが変わっていますが、2019年は昨年と基本的な構成は同じ

ただ、位置が若干変わっている様子です

第 1 戦から約 4 ヶ月、長いブランクの間に悲しいニュースが流れてしまいました

しかし選手たちは、それぞれこのブランクを利用して機体の改造を施していたようです

まずその効果が現れたのが、フランソワ・ル・ボット選手

それまでのフリープラクティスでは、そこまでのタイムではありませんでしたが、そこまでで最速タイムとなる1分1秒836をマーク!

このタイムはそれまでの最速タイムを 0.5 秒も上回り、初の 1 分 1 秒台

これは他の選手からしたら相当の焦りがあったかもしれません

続いて飛んだマティアス・ドルダラー選手

なんとシケイン通過時にパイロンヒット!しかもパイロンの赤い部分ではなく、白い部分にヒットさせてしまいました

これは以前ニコラス・イワノフ選手がやってしまったのと同じパターン

ヒット直後はパイロンが主翼にまとわりつくほど

このため機体のダメージが大きく、予選後公式にカザン戦のリタイアが発表されました

年間チャンピオンを取って以来、いまいち調子が戻ってこないマティアス・ドルダラー選手

あなたの元気な姿とヨーデルが聞きたい!

そしてなんと言っても驚きは、ミカエル・ブラジョー選手

驚きのタイムを出したフランソワ・ル・ボット選手よりも、さらに 0.4 秒も速い1分1秒431という驚異的なタイム

ミカエル・ブラジョー選手は機体を相当頑張って調整してきたらしく、それが実を結んだのでしょう

このタイムが、そのまま最速ポールポジション

放送で彼が映し出されるたびに、緊張度合いが高まっていくのが印象的でした

予選により、Round of 14 はこのような対戦です

ニコラス・イワノフ v.s. ペトル・コプシュタイン
ベン・マーフィー v.s. 室屋義秀
マット・ホール v.s. マイケル・グーリアン
カービー・チャンブリス v.s. フランソワ・ル・ボット
ピート・マクロード v.s. クリスチャン・ボルトン
フアン・ベラルデ v.s. マルティン・ソンカ
マティアス・ドルダラー v.s. ミカエル・ブラジョー

ただし、マティアス・ドルダラー選手の DNS (Did Not Start) のため、ミカエル・ブラジョー選手の不戦勝

Round of 14

昨日の予選と変わり、曇天で雨が振りそうな中での開始

少し前まで降っていたようで、路面は濡れていましたね

Heat.1

先に飛ぶニコラス・イワノフ選手

スタートが遅いっ!
その後もあまり安定したフライトではなく約1分3秒9
これが基準タイムになりますが、ちょっと遅いでしょうか?

後に飛ぶペトル・コプシュタイン選手

最初から順調にリードを広げていき、順調に勝ち上がりかと思ってました
ところがなんと Gate16 でペナルティ!
最後の水平ターンに向けて、少し焦ったか?
みすみす勝ちを逃してしまいました

Heat.2

先に飛ぶベン・マーフィー選手

一本目のバーティカルターンの頂点で失速
全体を通しても高度が低いところを通っているのは、速度的にどうなのでしょうか?
1分3秒3はまぁまぁななタイム

後に飛ぶ室屋義秀選手

なかなかトラックに入らなかった室屋選手
解説のボノムさんはプレッシャーと言っていましたが・・・
一時期赤表示になったりと、0.09秒差という接戦でしたがなんとか勝ち上がり
とはいえ、コースイン前もコースアウト後も苦虫を噛んだような顔をしていたのは、なにか訳があるのでしょうか?

Heat.3

先に飛ぶマット・ホール選手

予選は下位に沈んだマット・ホール選手
ですが、Round 0f 14 にきっちり合わせてきて 1分2秒3 の好タイム
この辺はさすが!

後に飛ぶマイケル・グーリアン選手

なんと Gate3 と Gate4 の間で OverG をもらうスタート
なんとか追いかけようとしていましたが、最後は2秒以上の差(実質1秒以上の差)でアウト
このタイムでは勝てませんね

Heat.4

先に飛ぶカービー・チャンブリス選手

スタートは良かったけど、Gate5 でのインコレクトレベル
完全に遅れてましたね
その直後のシケインも大回りでは、タイムが出ないだろう、思ったんですよ
でもペナルティなければ 1分3秒 フラットなのは、もったいないペナルティでした

後に飛ぶフランソワ・ル・ボット選手

落ち着いて飛べば勝てるはずのフランソワ・ル・ボット選手
余裕を持ったフライトで1分3秒フラットは、予選から通じて速さを持っています
良いフライトだったと思います

Heat.5

先に飛ぶピート・マクロード選手

Gate3 でいきなりインコレクトレベルのペナルティ
これさえなければ 1分2秒2 の好タイムだったのに、とてもとてももったいない

後に飛ぶクリスチャン・ボルトン選手

はじめから比較的のんびりしたイメージで入ったクリスチャン・ボルトン選手
最初のバーティカルターンでとても大きく、ノーペナルティで負けるか?と焦らせましたが、なんとか勝利
勝ったあとにメカの西村さんのガッツポーズが印象的

Heat.6

先に飛ぶフアン・ベラルデ選手

もったいなーーーーい
Gate13 でのインコレクトレベルがなければ、フアン・ベラルデ選手も1分2秒台
とてもきれいで攻めているフライトに見えていました

これでベン・マーフィー選手のファーステストルーザーが決まりです

後に飛ぶマルティン・ソンカ選手

テレメトリーシステムでの位置情報の取得ができなくなり、コースへの侵入が許可されないトラブル
システムのリブートでなんとか動くようになったようで、だいぶたってからコースイン
集中大変だと思われる中でも、きちんと飛ぶのはさすが
最後の Gate16 で UnderReview になったけど、ペナルティ無しで勝ち上がり

Heat.7

先に飛ぶはずだったマティアス・ドルダラー選手

シケインでのパイロンヒットのダメージで、フライトできずに DNS
精神的にもつらそうです

後に飛ぶミカエル・ブラジョー選手

あれ?飛ぶんだ、と思ったミカエル・ブラジョー選手
クリーンで安全に飛んでも 1分3秒 フラットと好タイム!
今回はむちゃくちゃ調子が良さそうです

ニコラス・イワノフ◯ v.s. ペトル・コプシュタイン
ベン・マーフィー v.s. 室屋義秀◯
マット・ホール◯ v.s. マイケル・グーリアン
カービー・チャンブリス v.s. フランソワ・ル・ボット◯
ピート・マクロード v.s. クリスチャン・ボルトン◯
フアン・ベラルデ v.s. マルティン・ソンカ◯
マティアス・ドルダラー v.s. ミカエル・ブラジョー◯

この結果 Round of 8 の対戦はこうなります

室屋義秀 v.s. ミカエル・ブラジョー
ベン・マーフィー v.s. マルティン・ソンカ
クリスチャン・ボルトン v.s. フランソワ・ル・ボット
ニコラス・イワノフ v.s. マット・ホール

Round of 8

Round of 14 とデータ上はそれほど変わらないコンディションで迎えたように見えた Round of 8
しかし、この休憩時間の間に雨が降ったようで、10分の遅延でのスタートです
加えて風がやんでますね

Heat.8

先に飛ぶ室屋義秀選手

とてもフラットでスムーズなフライト
タイムもまぁまぁな1分3秒フラット
しかし、このぐらいのタイムでのゴールが多いな

後に飛ぶミカエル・ブラジョー選手

Gate3 でやばい!と思ったら案の定インコレクトレベル
若いなぁ、焦ったか
Gate16 でも同じようなインコレクトレベルで、もうもうどうにもならなくなりましたね
4秒なければ勝てるタイムだったのに

Heat.9

先に飛ぶベン・マーフィー選手

とてもきれいなフライト
上下動も少ないし、バーティカルターンでもスモークのバンプも少ない
でもタイムが平凡な 1分3秒9では、ちょっと勝負にならないか?

後に飛ぶマルティン・ソンカ選手

マルティン・ソンカ選手は余裕を持ったフライトなのか?
きっちりとしたマルティンらしいシャープなフライトをこなし、しかもタイムも確実に出してくる
強いときの勝ち方のフライトを見た気がします

Heat.10

先に飛ぶクリスチャン・ボルトン選手

ノーペナルティなのは良いけど、全体を通してフラフラしているのがとても気になるフライト
バーティカルターンもかかるGが弱く、これではタイムが出にくいですね
一箇所ペナルティが怪しいところがあったが、なんとか通過
いろいろなことが影響しているのか1分4秒フラットとタイムは早くない

後に飛ぶフランソワ・ル・ボット選手

とてもキレイなフライト
とはいえ予選のときのような速さは見られないのが、ちょっと心配なところ
抑えているのか、予選がたまたまだったのかは Final 4 でわかるでしょう

Heat.11

先に飛ぶニコラス・イワノフ選手

予選や Round of 14 までは、過去に見せていたロールのしすぎが収まっていたが、ここにきて再び再発した感じ
これでは不安定で修正が多くなりタイムは伸びないと思います
最後にOverGをかまして、案の定1分5秒台とちょっと遅すぎ

後に飛ぶマット・ホール選手

全然攻めている感じのしないフライト
自分の持ちタイムと、気象状況、そして相手の状況を完全に理解してフライトしているように見えます
順当に勝ち上がりましたね

室屋義秀◯ v.s. ミカエル・ブラジョー
ベン・マーフィー v.s. マルティン・ソンカ◯
クリスチャン・ボルトン v.s. フランソワ・ル・ボット◯
ニコラス・イワノフ v.s. マット・ホール◯

この結果、Final 4 のフライト順は

室屋義秀選手
マルティン・ソンカ選手
フランソワ・ル・ボット選手
マット・ホール選手

です

Final4

1人目室屋義秀選手

まぁまぁ落ち着いて飛んでたと思うんです
でも全体に迫力とかスピードを感じられなかった
室屋義秀選手が勝つときは、そういった力強さを感じるんですけど
風もほぼ無風に近い状態での1分3秒5では、優勝するタイムとはいえないと思います

2人目マルティン・ソンカ選手

湿度が変わったためか、どんどんタイムが遅くなったマルティン・ソンカ選手
バーティカルターンに入るまでは接戦でしたが、バーティカルターンで突っ込みすぎ、降りてくるところで大きな差が生まれてしまいました
その後もジリジリ離され、1分4秒2 ではちょっと勝負になりません

3人目フランソワ・ル・ボット選手

フライト前のインタビューが、とても落ちつていて低いトーンでコメントしていたフランソワ・ル・ボット選手
勝ち抜ける雰囲気に満ちていました
だけど、1週目の Gate3 からインコレクトレベル
そこからどんどんとリズムが悪くなり、パイロンへの入りが遅れて焦りがでたのか、最後もインコレクトレベル
勝てるかと思ったんだけどねぇ

4人目マット・ホール選手

なんだか抑え気味に見えるのは、Round of 8 から引き続きのフライト
抑えているのではなく、エンジンの調子が悪いことをコメントしていたので、その影響かもしれませんね
それでもきっちり Final 4 に残り、2位になるのだからさすが

なんと、これで室屋義秀選手の2連勝

フリープラクティスの3本は最速タイムで、調子良いのかと思いきや、予選以降それほどタイムが良いわけではありませんでした

ところが、最後の最後できっちり勝てるというのは、自信があったのでしょうね

いやぁ、強いです

さて、これでポイントランキングはこうなります

1位  室屋義秀  53
2位  マルティン・ソンカ  44
3位  マット・ホール  36
4位  ニコラス・イワノフ  30
5位  ミカエル・ブラジョー  26
6位  マイケル・グーリアン  25
7位  フランソワ・ル・ボット  21
8位  フアン・ベラルデ  16
9位  ベン・マーフィー  15
10位  クリスチャン・ボルトン  13
11位  カービー・チャンブリス  13
12位  ピート・マクロード  10
13位  ペトル・コプシュタイン  5
14位  マティアス・ドルダラー  3

残りがたったの 2 戦しか無いことを考えると、上位4人までの戦いになりそうです

下位でもここから2連勝すれば可能性は0ではありませんが、上位がそれを許すとも思いませんし

最終戦が千葉ということを考えると、やっぱり室屋義秀選手が有利なのかな

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