2019年 Redbull Airrace 第1戦アブダビ を見ての感想です
予選
開幕戦ということもあり、練習日がいつもより多く設定されていました
そのためか、フリープラクティスを重ねるうちに選手間の差が少なくなっていきました
その中で始まった予選は、まずフランソワ・ル・ボット選手がリード
フランソワ・ル・ボット選手だけがバーティカルターンを違うラインで通ってました
ここだけで相当稼いでいた様子
その後は昨年の上位が、やはり好タイムを出して上位進出
その中でも室屋義秀選手がTOPタイム
2周目のバーティカルターンが特出して速かったように見えました
結果を見ると9位までが1秒ぐらいの差、14位でも1.5秒の差と超僅差
これではどの対戦でも予断を許しません
1秒ペナルティーでも簡単に負けてしまいます
さて、どうなりますか?
Round of 14
快晴で風も弱いなか始まった Round of 14
ここまで安定しているとタイムもハイレベルなことになりそうな予感です
Heat.1
先に飛ぶマティアス・ドルダラー選手
ペナルティーが無ければ上位に入ったはずのタイムを持っていました
が、今回ペナルティーが多いGate14(ゴールから一つ前のゲート)でインコレクトレベルのペナルティ
後に飛ぶミカエル・ブラジョー選手
安全に飛べばと思っていたら、Gate7でインコレクトレベルペナルティをやらかす!
機体を戻すのが遅れましたねぇ
それでもなんとか上回って勝ち上がりです
Heat.2
先に飛ぶクリスチャン・ボルトン選手
一回目のバーティカルターンで11.0Gとギリギリアウトで1秒ペナルティ
しかもGate7でOver12Gをやらかし、DNFの宣言がある前にコースを外れて万事休す
後に飛ぶマルティン・ソンカ選手
安全に飛んで記録を出せばいいだけなのに、手抜かないですねぇ
まぁいつものことですが
多少はバーティカルターンで安全マージン取っていましたが、それでも53秒半ばと好タイム
もちろん勝ち上がりです
Heat.3
先に飛ぶフランソワ・ル・ボット選手
彼だけがバーティカルターンで違うラインを取るのですが、どうも全体的にスピートが出てない感じ
2回目のバーティカルターンでもストールしてしまい、余計にスピードを失ってしまいました
しかもGate14でインコレクトレベルのペナルティ
後に飛ぶフアン・ベラルデ選手
今回好調なフアン・ベラルデ選手は、2秒ペナルティをもらわなくても余裕のタイム
途中からスモークがでなくなるトラブル?で1秒失いましたが、それでも問題なく勝ち上がり
「実はスモークを早く出しすぎたんだ」と本人の談でしたので、完全にヒューマンエラーですね
Heat.4
先に飛ぶペトル・コプシュタイン選手
Gate14までは順調で、そこそこ良いタイムだったんだけどね
みんなが失敗しているGate14でインコレクトレベルをおかしました
その前のGate13や12での対応が遅れ気味だったので、それに伴い機体を戻しきれなかったようにみえます
後に飛ぶマイケル・グーリアン選手
最初のバーティカルターンで上がり過ぎていたのは、余裕で安全性を考えてのことでしょうか
Gも低かったし
解説のボノムさんに「リラックスしすぎ」と言われるほど
それでも2秒以上の差をつけての勝ち上がりです
Heat.5
先に飛ぶマット・ホール選手
風がでてきたのか急にスモークも機体も流れるなかで飛んだマット・ホール選手
Gate7で痛恨のインコレクトレベル
その前のGate6とかで流れた分、修正が遅れたのかもしれません
後に飛ぶベン・マーフィー選手
高〜〜い一回目のバーティカルターンにも驚いたけど、Gate7でのOverGに加えてパイロンヒット!
一気に4秒ものペナルティで万事休す
マット・ホール選手、運あるなぁ
Heat.6
先に飛ぶカービー・チャンブリス選手
順調に見えた飛行も、ちょこちょこ危ない場所がありました
Gate7で高かったようにも見えたし、Gate10ではクライミングぽかった
ただタイムは平凡なので、勝ち上がるにはペナルティを期待でしょうか
後に飛ぶピート・マクロード選手
やっぱりGate7
ここでインコレクトレベルを犯す人多いですね
まぁその前のゲートから遅れると、どうしてもGate7への侵入が遅れるために、インコレクトレベルになりやすいみたい
この2秒が響いてだめでした
Heat.7
先に飛ぶニコラス・イワノフ選手
スタート直後は上下動が多く、タイム出るかな?と思いましたが、案の定そこまで速いタイムではありませんでした
Gate7/Gate14もギリギリでした
後に飛ぶ室屋義秀選手
やっぱり2回目のバーティカルターンが速い室屋義秀選手
1周目は遅れていましたが、2回目のバーティカルターンだけで勝ち上がりましたね
この結果、ファーステストルーザーはニコラス・イワノフ選手でした
マティアス・ドルダラー v.s. ミカエル・ブラジョー◯
クリスチャン・ボルトン v.s. マルティン・ソンカ◯
フランソワ・ル・ボット v.s. フアン・ベラルデ◯
ペトル・コプシュタイン v.s. マイケル・グーリアン◯
マット・ホール◯ v.s. ベン・マーフィー
カービー・チャンブリス◯ v.s. ピート・マクロード
ニコラス・イワノフ v.s. 室屋義秀◯
Round of 8
だんだんと風が強くなってきて、コンディションが変わってきたRound of 8
Round of 14 の後半あたりから、全体的にタイムが落ちてきているように見えます
これがどんな影響を及ぼすのか!?
Heat.8
先に飛ぶニコラス・イワノフ選手
全体的にスピードが足りず、バーティカルもGが弱く、上下動も激しく、煙にキャビンを支配される
これじゃぁなかなか次は難しいでしょう
なんであんなにスモークが漏れるんでしょうねぇ
後に飛ぶカービー・チャンブリス選手
なんとGate3でクライミングのペナルティ、操縦桿を引くのが早すぎましたね
これにより2秒のペナルティをもらってしまい、追いつくことはできませんでした
Heat.9
先に飛ぶフアン・ベラルデ選手
導入ではすごくキレイなフライトだったのに、Gate7でインコレクトレベル
同じGate14でも同じようにインコレクトレベルに近かったフライトでした
あそこはみんな難しいんですね
後に飛ぶ室屋義秀選手
最初のバーティカルターンで11.0Gを「放送上では」記録したように見えたんですけどね
データ上はなんとか範囲内だったのでしょう
まぁ11Gで1秒ペナルティだったとしても、それでも勝っていたので、はやりスピードがあるんですね
Heat.10
先に飛ぶミカエル・ブラジョー選手
スタート前からスモークの調子が悪く、やっぱりスモークペナルティ
加えて1周目のバーティカルでOverGの1秒ペナルティで、合計2秒のペナルティ
2周目のバーティカルも引くのが遅い
これじゃペナルティ無くても勝てないんじゃないかな
後に飛ぶマイケル・グーリアン選手
とっても安全に2回のバーティカルターンを通過してました
2秒の余裕があるからこの飛び方でOK
それよりも、皆が失敗するGate7/14で余裕をもって水平に戻しているのが印象的
ここに余裕があるのであればミスは無く、勝ちやすい飛び方だと思います
Heat.11
先に飛ぶマット・ホール選手
やっぱりGate7/14で怪しいと思ったんですが、なんとかノーペナルティ
2回目のバーティカルターンでストールを起こすなど、ドタバタのフライトでした
ノーペナとはいえ、スピードがちょっと足りない気がします
後に飛ぶマルティン・ソンカ選手
1周目のバーティカルターンでOverG!力入ったか!?と半ばあきらめムード
しかも2回目のバーティカルターンでもストール
それでも少しずつ取り戻し、なんと最後の最後でグリーンライト
1秒ペナルティをもらっても勝ってしまいました!
ニコラス・イワノフ◯ v.s. カービー・チャンブリス
フアン・ベラルデ v.s. 室屋義秀◯
ミカエル・ブラジョー v.s. マイケル・グーリアン◯
マット・ホール v.s. マルティン・ソンカ◯
Final4
Final4を前にして、なんとニコラス・イワノフ選手のエンジンがスタートしないというトラブル!
スターターでプロペラは回せるけど、エンジンに火が入らず動き出してないように見えました
ニコラス・イワノフ選手本人も何がなんだか?という感じ
電気系か、燃料系のトラブルでしょうね
1人目ニコラス・イワノフ選手
結局スタートできず DNS (Did Not Start) でおしまい
2人目室屋義秀選手
繰り上がって室屋義秀選手がFinal4の最初のフライト
ずっと良いタイムできたのに最後の最後Gate14で怪しい動き
それでもお咎め無しで53秒780は、Round of 8以降で最速タイム
3人目マイケル・グーリアン選手
1回目のバーティカルターン後までは、室屋義秀選手に対しリードしていましたが、水平ターンで置いていかれました
水平ターン部分で、少し余裕があるフライトでしたので、その分遅れたのかもしれません
4人目マルティン・ソンカ選手
一周目終了時点で千分の5秒差!
2回目のバーティカルターンで0.1秒強まで遅れたけど、最後はなんと千分の3秒差!
過去最小のタイム差じゃないのか?
マルティン・ソンカ選手は「Round of 8 で OverG したから、OverG するのが怖くて、少し安全に飛んでしまった」とコメント
そりゃ、怖いですよね、室屋義秀選手が良いタイムだったから、ペナルティ出したら勝ち目ないもの
2019年開幕戦の表彰台は
1位 室屋義秀選手
2位 マルティン・ソンカ選手
3位 マイケル・グーリアン選手
となりました
さて、これでポイントランキングはこうなります
1位 | 室屋義秀 | 28 |
2位 | マルティン・ソンカ | 23 |
3位 | マイケル・グーリアン | 21 |
4位 | ニコラス・イワノフ | 18 |
5位 | マット・ホール | 14 |
6位 | フアン・ベラルデ | 13 |
7位 | ミカエル・ブラジョー | 12 |
8位 | カービー・チャンブリス | 11 |
9位 | ピート・マクロード | 5 |
10位 | ペトル・コプシュタイン | 4 |
11位 | マルティン・ソンカ | 3 |
12位 | フランソワ・ル・ボット | 2 |
13位 | ベン・マーフィー | 1 |
14位 | クリスチャン・ボルトン | 0 |
今年も熱い戦いが始まりました
対戦のタイム差を見ても、ペナルティがなければ僅差であることが多いので、どんな対戦でも余裕はないのだと思います
この先どう進んでいくのか楽しみです
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